Python でのスクリプトの記述に慣れているユーザが、Dynamo の標準的な Python ノード以外の機能を必要とする場合は、Zero-Touch を使用して独自のノードを作成できます。最初に紹介する簡単な例では、Python スクリプトを文字列として Zero-Touch ノードに渡すと、スクリプトが実行されて結果が返されます。このケース スタディは、「スタートアップ」セクションの説明と例に基づいているため、Zero-Touch ノードを初めて作成する場合はそちらを参照してください。
Python スクリプトの文字列を実行する Zero-Touch ノード
このノードは、IronPython スクリプト エンジンのインスタンスに依存します。これを行うには、いくつかの追加のアセンブリを参照する必要があります。Visual Studio で基本的なテンプレートを設定するには、次の手順を実行します。
新しい Visual Studio クラス プロジェクトを作成します。
C:\Program Files (x86)\IronPython 2.7\IronPython.dll
にある IronPython.dll
への参照を追加します。
C:\Program Files (x86)\IronPython 2.7\Platforms\Net40\Microsoft.Scripting.dll
にある Microsoft.Scripting.dll
への参照を追加します。
クラスに IronPython.Hosting
および Microsoft.Scripting.Hosting
の using
ステートメントを含めます。
パッケージを含む Dynamo ライブラリに追加のノードが作成されないように、空のプライベート コンストラクタを追加します。
単一の文字列を入力パラメータとして受け取る新しいメソッドを作成します。
このメソッド内で、新しい Python エンジンをインスタンス化し、スクリプトの空のスコープを作成します。このスコープは、Python インタプリタのインスタンス内のグローバル変数と考えることができます。
次に、エンジンで Execute
を呼び出して入力文字列とスコープをパラメータとして渡します。
最後に、スコープで GetVariable
を呼び出し、返そうとしている値を含む変数の名前を Python スクリプトから渡して、スクリプトの結果を取得して返します。(詳細については、下の例を参照してください)
次のコードは、上記の手順の例を示しています。ソリューションをビルドすると、プロジェクトの bin フォルダに新しい .dll
が作成されます。この .dll
をパッケージの一部として、または File < Import Library...
にナビゲートして Dynamo に読み込むことができます。
Python スクリプトが変数 output
を返すため、Python スクリプトには output
という変数が必要です。このサンプル スクリプトを使用して、Dynamo でノードをテストします。Dynamo で Python ノードを使用したことがある場合は、同じように操作できます。詳細については、Primer の「Python」のセクションを確認してください。
標準の Python ノードの制限事項として、出力ポートは 1 つしかありません。そのため、複数のオブジェクトを返す場合は、リストを作成してその中で各オブジェクトを取得する必要があります。ディクショナリを返すように上記の例を変更すると、必要な数だけ出力ポートを追加できます。ディクショナリの詳細については、「Zero-Touch の詳細を確認する」の「複数の値を返す」セクションを参照してください。
このノードを使用すると、直方体の体積と図心の両方を返すことができます。
次の手順で前の例を変更します。
NuGet パッケージ マネージャから DynamoServices.dll
への参照を追加します。
以前のアセンブリに加えて、System.Collections.Generic
および Autodesk.DesignScript.Runtime
を含めます。
出力を含むディクショナリを返すように、メソッドの戻り値のタイプを変更します。
各出力は、スコープから個別に取得する必要があります(大きな出力セットに対して単純なループを設定することを検討してください)。
また、サンプルの Python スクリプトに出力変数(output2
)を追加しています。これらの変数では任意の Python 命名規則を使用することができ、この例ではわかりやすくするために、厳密に output を使用しました。