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このセクションでは、プロのような独自のビジュアル プログラムを作成する際に役立つ、Dynamo ライブラリで使用できる基本ノードについて説明します。
計算設計用のジオメトリ: Dynamo のジオメトリ要素の仕組みを紹介します。プリミティブから単純な、または複雑なジオメトリを作成する複数の方法について説明します。
プログラムの構成要素: データの定義と、プログラムで使用できる基本的なタイプを紹介します。また、設計ワークフローに数値演算と論理演算を組み込む方法についても学習します。
リストを使用した設計 :データ構造を管理および調整する方法を紹介します。リストの概念の詳細を理解し、リストを使用して設計データを効率的に管理できるようにします。
Dynamo のディクショナリ: ディクショナリについて解説します。ディクショナリを使用して、既存の結果から特定のデータと値を検索する方法を確認してください。
ベクトルは大きさと方向を表すもので、特定の速度で特定の方向に向かって加速する矢印として描画できます。ベクトルは、Dynamo のモデルにおける主要なコンポーネントです。ベクトルは[Helper]という抽象的なカテゴリに分類されるため、ベクトルを作成しても背景プレビューには何も表示されないことに注意してください。
ベクトル プレビューの代わりに線分を使用することができます。
下のリンクをクリックして、サンプル ファイルをダウンロードします。
すべてのサンプルファイルの一覧については、付録を参照してください。
平面は 2 次元サーフェスで、無限に広がる平坦なサーフェスとして描画できます。各平面には、原点、X 方向、Y 方向、Z (上)方向があります。
平面は抽象的な概念ですが、平面には基準点があるため、空間内で平面の場所を特定することができます。
Dynamo では、平面は背景プレビューにレンダリングされます。
下のリンクをクリックして、サンプル ファイルをダウンロードします。
すべてのサンプルファイルの一覧については、付録を参照してください。
座標系は、点やその他のジオメトリ要素の位置を決定します。次の画像は、Dynamo での外観と各カラーの意味について説明しています。
座標系は抽象的な概念ですが、座標系には基準点があるため、空間内で座標系の場所を特定することができます。
Dynamo の座標系は、点(基準点)と 3 つの軸を定義する線分(X は赤、Y は緑、Z は青で表示)として背景プレビューにレンダリングされます。
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すべてのサンプルファイルの一覧については、付録を参照してください。
抽象的なジオメトリ タイプの主要なグループは、ベクトル、平面、座標系により構成されています。ベクトル、平面、座標系により、形状を表すその他のジオメトリの位置、方向、空間コンテキストを定義することができます。たとえば、ニューヨーク市 42 丁目のブロードウェイ(座標系)の路上(平面)に立って北(ベクトル)を向いている場合、ベクトル、平面、座標系という[Helper]カテゴリの情報を使用して自分の現在の居場所を定義していることになります。電話ケース製品や高層ビルについても、同じことが言えます。モデルを開発するには、このコンテキストが必要です。
ベクトルとは、方向と大きさを表すジオメトリの量です。ベクトルは抽象的な概念です。つまり、ジオメトリ要素ではなく量を表します。ベクトルは点と同様に値のリストで構成されているため、点とベクトルを混同しないようにする必要があります。ただし、点とベクトルには大きな違いがあります。点が特定の座標系における位置を表すのに対して、ベクトルは位置における相対的な差異を表します。これは、「方向」と言い換えることもできます。
相対的な違いの考え方が分かりにくい場合は、ベクトル AB を「点 A に立って点 B の方向を向いている」と考えてみてください。 現在地 A から目的地 B に対する方向が、ベクトルです。
ここでは、同じ AB 表記を使用して、ベクトルを構成する要素について説明します。
ベクトルの開始点は、起点と呼ばれます。
ベクトルの終了点は、先端または向きと呼ばれます。
ベクトル AB とベクトル BA は違います。これらは、反対方向のベクトルです。
ベクトルとその定義に関するジョークとして、古典的なコメディである Airplane (邦題: フライングハイ)の有名なジョークがあります。
Roger, Roger.What's our vector, Victor? (訳注: ロジャー、了解だ(発音は「ロジャー」、ラジャー)。ビクター、機首の向き(発音は「ベクター」、ベクトル)は?
平面は、2 次元の抽象的な Helper です。 より厳密に定義すると、平面とは 2 つの方向に無限に延びる概念的に「平らな」面のことです。平面は、通常、小さな長方形として基準点の近くにレンダリングされます。
ここで、「基準点とは、CAD ソフトウェアでモデルを作成する場合に使用する、座標系に関係ある用語ではないだろうか」と思いつく人がいるかもしれません。
そのとおりです。多くのモデル作成ソフトウェアは、構築面(「レベル」)を使用してローカルな 2 次元のコンテキストを定義し、その面上に図面を作成します。XY 平面、XZ 平面、YZ 平面や、北、南東などの用語の方がなじみがあるかもしれません。これらはすべて、無限の平らなコンテキストを定義する平面です。平面には深さはありませんが、方向の記述に役立ちます。
平面を理解できれば、座標系もすぐに理解することができます。平面のすべての要素は、標準的なユークリッド座標系または XYZ 座標系の要素と同じです。
ただし、円柱や球体など、他の座標系もあります。平面の要素は、これらの座標系の要素とは異なります。他のジオメトリ タイプに座標系を適用し、そのジオメトリ上の位置を定義することもできます。これについては、これ以降のセクションで説明します。
別の座標系(円柱、球体)に関する説明をここに追加
ビジュアル プログラミング環境の Dynamo では、データの処理方法を構築することができます。数値やテキストだけでなく、ジオメトリもデータです。コンピュータが認識できるジオメトリ(計算設計用のジオメトリと呼ぶ場合もあります)は、美しいモデル、複雑なモデル、パフォーマンス重視のモデルを作成するためのデータです。ジオメトリを使用するには、そのジオメトリのさまざまな入力と出力を理解する必要があります。
ジオメトリ データ タイプには複数のタイプがありますが、最初に曲線について説明します。曲線には、曲がっているか、まっすぐか、長いか、短いかなど、その形状を表す一連のプロパティが存在します。線分からスプライン曲線まで、すべての曲線タイプは点という構成要素で定義されることに注意してください。
線分
ポリライン
円弧
円
楕円
NURBS 曲線
ポリカーブ
NURBS は、曲線やサーフェスを正確に表現するために使用されるモデルです。NURBS 曲線の作成には 2 つ方法があります。それぞれの方法で Dynamo で正弦曲線を作成し、結果を比較してみましょう。
NurbsCurve.ByControlPoints ノードは、点のリストを制御点として使用します。
NurbsCurve.ByPoints ノードは、点のリストを使用して曲線を描画します。
下のリンクをクリックして、サンプル ファイルをダウンロードします。
すべてのサンプルファイルの一覧については、付録を参照してください。
曲線という用語は通常、すべての曲がった形状を指します(直線を含みます)。大文字の「C」で始まる「Curve」は、直線、円、スプライン曲線など、すべての形状タイプの親カテゴリです。より厳密に定義すると、曲線とは、(x = -1.26*t, y = t
)などの単純な関数から微積分を使用する複雑な関数まで、さまざまな関数の集合に「t」を代入して指定することができるすべての点のことです。操作する曲線の種類に関係なく、この「t」というパラメータが評価対象のプロパティになります。また、形状の外観にかかわらず、すべての曲線には開始点と終了点があり、この開始点と終了点が、曲線の作成に使用される t の最小値と最大値に対応します。これを理解すると、曲線の方向についても理解できます。
Dynamo では、曲線に対する t の値の範囲は 0.0 ~ 1.0 になります。これは、覚えておく必要があります。
すべての曲線には、曲線の記述や解析で使用されるさまざまなプロパティと性質があります。開始点と終了点の間の距離がゼロの場合は、「閉じた」曲線になります。 また、すべての曲線には複数の制御点があります。これらの点がすべて一つの平面上に配置されている場合、その曲線は「平らな」曲線になります。 一部のプロパティは曲線全体に適用されますが、曲線上の特定の点にのみ適用されるプロパティもあります。たとえば平面性はグローバル プロパティですが、特定の t 値における接線ベクトルはローカル プロパティです。
線分は、最も簡単な形状の曲線です。直線は曲線には見えないかもしれませんが、曲率がゼロであるというだけで、実際には曲線です。線分を作成する方法はいくつかあります。最も直感的な方法は、点 A から点 B までの線分を作成する方法です。この場合、線分 AB の形状が点間に描画されますが、数学的には、直線が両方向に無限に延びている状態になります。
2 つの線分を接続すると、ポリラインが作成されます。ここで、制御点について簡単に説明します。どの制御点の位置を編集しても、ポリラインの形状が変化します。ポリラインが閉じている場合は、ポリゴンが作成されます。ポリゴンの辺の長さがすべて同じである場合、このポリゴンは正多角形になります。
ここからは、形状を定義するための複雑なパラメトリック関数を見ていきます。これまでは線分について説明しましたが、ここでは 1 つまたは 2 つの半径を設定することにより、円弧、円、楕円弧、楕円を作成します。円弧と円または楕円の違いは、形状が閉じているかどうかだけです。
NURBS (非一様有理スプライン)は、単純な 2 次元の線分、円、円弧、長方形の形状から、複雑な 3 次元フリーフォームの有機的な曲線まで、あらゆる形状を正確にモデル化することができる数学的表現です。その柔軟性(比較的少ない制御点で、次数の設定に基づいたスムーズな補間が可能)と精度(堅牢な数学演算による形状指定)により、イラストレーションやアニメーションから製造にわたる幅広いプロセスで使用することができます。
次数: 曲線の次数により、制御点が曲線に与える影響力の範囲が決まります。次数が大きいほど、影響力の範囲も大きくなります。次数は正の整数です。この数値は通常 1、2、3、または 5 ですが、任意の正の整数にすることができます。NURBS 線分とポリラインの次数は、通常は 1 です。ほとんどのフリーフォーム曲線の次数は、3 または 5 です。
制御点: 制御点は、次数 + 1 個以上の点を含むリストです。NURBS 曲線の形状を変更するための最も簡単な方法は、その制御点を移動する方法です。
ウェイト: 制御点には、ウェイトと呼ばれる数値が関連付けられています。ウェイトは、通常は正の数値です。曲線の制御点のすべてのウェイトの値が同じである場合(通常は 1)、その曲線は非有理曲線と呼ばれます。それ以外の場合は、有理曲線と呼ばれます。ほとんどの NURBS 曲線は、非有理曲線です。
ノット: ノットは、N を制御点の数としたとき、「次数 + N - 1」個の数値のリストとして表されます。ノットはウェイトとともに使用され、作成される曲線上の制御点の影響力をコントロールします。ノットは、曲線上の特定の点でねじれを作成する場合などに使用します。
次数 = 1
次数 = 2
次数 = 3
次数の値が大きいほど、作成される曲線を補間するための制御点の数が多くなります。
線分はポイントのセットで構成され、各ラインには最低 2 つのポイントがあります。Dynamo で線分を作成する最も一般的な方法の 1 つは、Line.ByStartPointEndPoint
を使用して Dynamo で線分を作成することです。